今回は、ユーザー数9.5億人を誇るTelegramが展開するTelegram Mini Appsにおいて、ゲーム以外の分野で開発が進められているウォレットアプリを調査した結果を記事にまとめます。
ウォレットアプリの分野はユーザー基盤をおさえることができる重要なインフラであり、TONのネイティブウォレットは当然ながら、大手取引所の参入も増えている状況です。
ウォレットを理解することはエコシステムの新機能/最新情報把握や、マーケティングにも使えるため、事業者にとって非常に有用です。
各アプリの最新状況やTON固有の事情を踏まえながら、TONアプリを作りたい事業者が対応すべきウォレットを解説しますので、アプリを作る際に参考にしていただければ幸いです。
ウォレットとは?
本論に入る前に、Web3でよく出てくるウォレットとは何かを簡単におさらいします。
Web3におけるウォレットとは、ブロックチェーンへのアクセスに必要な秘密鍵を保管するソフトウェアのことで、以下のようなことが可能です。
- トークンの保管/管理
- トークンの送受信
- Web3アプリケーションとの接続
- 暗号化によるセキュリティ保護
特にアプリ開発事業者にとって重要な点は、3つ目のウォレットを介してログインや支払いが可能なことで、ユーザーがWeb3サービスを利用するための中核的なツールとなります。
ユーザーはアカウントを作成せずにウォレットを接続するだけでサービスを利用でき、シームレスにアクセスできるような設計が可能となろます。
TONエコシステム外の有名なウォレットとしては、MetaMaskやPhantom、Coinbase Walletなどが挙げられます。
TONウォレットの現状
ウォレットとは何か?を把握できたところで、TONウォレット(この記事ではTONエコシステム全体のウォレットを指します)の現状をまとめます。
Web2含むTelegramの総ユーザー数9.5億人で、一度でもトランザクションを残したウォレットが3,500万であることから、Telegram全体のユーザーの約3.7%がウォレットを作成しています。
Notcoin、DOGS、ハムスターコンバット、Catizen等のTONゲームのエアドロップ時期にウォレット数が伸びています。
このうち30日以内に1回でもアクティティを残したアクティブウォレットは、ピーク時に1,000万、執筆時(2024年12月)で約700万あります。
1日あたりのウォレットアクティビティは直近5〜6万回/日で推移しています。
TONウォレットの利用はTelegram全体のユーザーの約3.7%にとどまることから、まだまだ伸び代はありますが、非常に多くのユーザーを獲得しています。
TONウォレットアプリの主要プレイヤー比較
前章ではTONウォレット全体の状況を把握しましたが、この章では各ウォレットについてもう少し細かく見てみます。
Telegram Apps CenterでのランキングTOP10は、以下のようになっています。
基本情報比較
TOP10それぞれの機能/特徴を一覧表にまとめると、下表のようになります。
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